工場長の考えてること

工場長の考えてることを脳みそ直だしです。

選挙の行方と失われかかって守るもの

2019年、11月25日現在。香港の区議会議員選挙の真っ最中である。

香港の中国返還以降、最高の投票率70%に手が届きそうであり、また民主派が圧勝しそうである。

行政長官を含め中華人民共和国に対してこの区議会選挙がどの程度民主化、あるいは現在の香港デモへ影響を(民意を受けて変わるのならとっくに変わっている)与えるのかはわからない。

が、しかし民意を示すシステムがまだ残っていることこそ香港が一国二制度。イギリスから残された自治権があることの証拠だと思う。

 

しばらく香港に行っていない。

香港には二つの印象がある。徹底的に商売人的で都会人的な面と、一つ話し込むと実はキチンと話し込めるコミュニケーション好きな面。

本土の移民の人口が増えてからかなり変わったのかもしれない。一口に香港、マカオ、台湾が近いと言っても、それぞれ訪れた時の印象はとても違っていた。成り立ちを考えれば当たり前のことだが香港は一番洗練された都市文化を持っていた。逆に戦前の香港についてはイメージできない。戦中の上海租界、国民党が逃げた台湾。朧げに知っている歴史に比べて、私の中の香港は映画であり、出身歌手であり、金融センターであり、英国文化であり、圧倒的に戦後のそれしか不勉強にして知らない。

 

今、香港の自治は風前の灯火で中華人民共和国を向こうに回すには余りにも相手が大きすぎる。しかしTwitterに #Honkonger 香港人というハッシュタグが頻繁に飛び交うように戦後の数十年、築き上げ、彼らの自治が危機に瀕しているからこそ香港人というアイデンティティが急速に復活し、また新たに作り上げられていると思う。

 

まだ香港人は失われていないし、圧政などで香港人の文化が失われてもいけない。

選挙の行方を気にしながら、香港人が失われないよう守られるよう願っている月曜日の朝だ。

香港加油